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今日はここ最近で一番疲れたかもしれない。


真っ暗な部屋の中、一人ベッドの中で丸まり、目を瞑っていた。


もうどれくらいこうしてるかな。


全然眠れない。


海堂はどうしてあんな事したんだろう……それはいくら考えても分からなかった。


結局私は教室に戻らなかった。


玲が鞄を取ってきてくれて、私はいつも通り送りの車に乗って家に帰った。


玲……。


玲の優しさと温もり。


そして唇に残る甘い感覚。


あんなに息を切らした玲を初めて見た。


私の為に探し回ってくれた。


いつもどこか冷めてて怠そうな玲が、私の為に……。


キスをした後も何事もなかったかの様に、私たちは何でもない話をしていた。


送りの時間が訪れるまでの間ずっと。


話をしている間、玲は私を離してはくれなかった。


後ろから私のお腹に腕を回し、ずっと抱きしめてくれていた。


玲がどういう気持ちでそうしてくれてたのかは分からない。


ただの優しさ……そう思うと胸が締め付けられた。


ーコンコンコン……。


遠慮がちに静かに叩かれたドア。



「はい」



私は体を起こし、スタンドライトの明かりをつけ返事をした。