お嬢様になりました。

玲はラッピングされた袋を見つめたまま動かない。


胸に不安が込み上げてくる。



「もしかして甘いもの苦手だった?」

「…………」

「それとも、手作りが苦手……だっかな?」

「…………」



何も言わない玲。


嬉しい気分がどんどん沈んでいく。


ラッピングした袋を持った手を引っ込めようとすると、玲に手首をギュッと掴まれた。



「甘いものも手作りも苦手じゃない」

「そう、なの?」



だったら何で?


無反応だったじゃん。



「まさかそんな事してくれるとは思ってなかったから……」

「……玲」



玲ははにかむ様に笑い、私を見上げた。


この顔はズルいよ……。


おまけに上目遣いなんて……マジ反則。



「ありがとう」

「ど、どう、致しましッッ!?」



玲が私からラッピングした袋を受け取ると、突然後ろから勢いよく制服を引っ張られた。


ぐ、ぐるじーッッ!!


制服を掴まれたまま首を後ろに捻ると、不機嫌な顔をした海堂が立っていた。



「か、いどう!?」



名前を呼ぶと、青筋を立て、更に不機嫌そうな顔になる海堂。


何で怒ってんの!?


制服から手を離したいと思いきや、直ぐに腕を掴まれ海堂はスタスタと歩き始めた。



「ちょっと!! 何処行くのよ!!」



あれ?


ついこの間同じ様な事なかった!?


もうっ、わけわかんない!!