お嬢様になりました。

数学の時間は終わり、私は全てのテスト用紙を鞄の中から取り出した。


ヤバイ。


心臓が爆発しそう……。



「葵さん? 大丈夫ですの? 顔色が悪いようですが……」

「うん、大丈……」

「顔が悪いの間違いだろ」



海堂を睨みつけると、人を見下した様な笑みを浮かべていた。


ムカつく奴!!


言い返す言葉が浮かばない事にも腹がたつ!!


海堂からぷいっと顔を逸らし、私は携帯の電卓機能を使ってテストの点数を足していった。


英語が七十点……国語が六十五点……。


電卓の数字を押す指が震える。


それに変な汗がじわじわと噴き出してくる。



「お前何してんだよ」



海堂の言葉なんて完全無視。


海堂どころか、周りを気にする余裕すらない。



「出た……」

「葵さん?」



ヤバイ……泣きそう……。



「やったぁぁぁー!!」



私の大声は教室中に響き渡り、みんなに驚いた顔で見られてしまった。


だけどそんなの気にしない。


だって、だって、だってっっ!!


平均点七十三点ってマジ奇跡ーっ!!


公立高校からこんなお金持ち学校に転校してきた私が、こんなにいい点数取れるなんて……玲には感謝してもしきれない。