お嬢様になりました。

鳳学園の制服を着て、お婆ちゃんにその姿を見せたかった。


制服は可愛いと思う。


だけどそれだけで行きたかった訳じゃない。


鳳学園はお婆ちゃんの母校だった。


どうやらお婆ちゃんの家は裕福な家庭で、幼稚園から大学まで鳳学園に通ったと聞かされた事がある。


鳳学園での思い出を沢山聞いた時にお婆ちゃんは小さく呟いた。


『鳳学園の制服、葵ちゃんにとっても似合うと思うわ』と……。


まだ幼かった私は、どれほど凄い学校なのか知らなかった。


だからこう答えた、『私お婆ちゃんと同じ学校に行くっ!!』って……。


中学の時に志望校を決める時に気付いた。


私はなんて身の程知らずな事を言ってたんだろうって。


どれ程頑張っても行けなかったし、仮に行っていたとしても、私は辞めなければいけなくなってた。


両親が死んで、バイト三昧な生活をすることになったから。


あんなに頭がいい学校に行ってたら勉強ばかりでバイトをする暇なんてなかっただろうし、高額な学費を払えなくなっただろう。


学費が免除されるのは特待生だけ。


一般で入るのすら厳しいっていうのに、優秀な生徒にしか与えられない特待生制度に私が選ばれる筈もない。