お嬢様になりました。

玲はいつもポーカーフェイスで、感情が上手く読み取れない。


微笑む事はあっても声を出して笑う事もない。


私の勉強をみてくれてるのはただの気まぐれで、この時間さえも玲にとっては暇潰しの時間でしかないのかもしれない。


そう思うと楽しい気持ちが萎んでいく。


嫌いな勉強がもっと嫌いになっていく。



「どうした?」

「どうもしないよ」



玲から顔を背けペンを握る手に力を込めた。


この今の気持ちをどう表していいのか分からない。


玲は何も悪くない。


寧ろ時間を作ってくれた事に感謝しなきゃいけないのに……。



「えっ?」



持っていたペンを手から引っこ抜かれ、玲の顔を見上げると、綺麗な瞳がジッと私の顔を捉えていた。



「思ってる事があるなら言えばいい」

「……無理、させちゃったんじゃないかなって、思って……」



本当の事、言えるわけない。


自分でもわけわかんないんだから。



「無理なんてしてない。 いい暇潰しになると思ったから葵の勉強に付き合う事にした」

「そっか……それなら、いいんだ……」



暇潰し。


その言葉が何度も頭の中で木霊する。