お嬢様になりました。

次の日もその次の日も、玲は根気よく私に勉強を教えてくれた。


それも本当に全ての教科を。


暗記する教科は自力でどうにかするしかないけど、英語だとか数学、教科書だけでは分かりにくいものは玲がわかりやすく説明してくれた。


勉強している筈なのに楽しくて、放課後のこの時間は私にとって待ち遠しい時間になった。



「いつもあんな事してんの?」

「あんな事?」



ペンを動かす手を止め玲にそう尋ねると、玲は何の事か分からないという顔をした。



「いや、その……女の子と所構わずイチャイチャというか、何というか……」

「イチャイチャした事ない」

「え?」



口ごもる私に対して、玲は表情を変える事なくピシャリと言い切った。


あれってどっからどう見てもイチャイチャしてたよね?



「自分から誘った事ないし、前にも言ったけどあれはただの暇潰し」



暇潰しであんな事する神経が私にはやっぱり分からない。


ついつい顔をしかめてしまう。



「楽しいの?」

「楽しくないよ」



楽しくないの?


楽しくないのに何で?


玲の頭の中ってよくわかんない。