お嬢様になりました。

丁寧にゆっくりと教えてくれる玲。


一人で勉強していた時よりも、すらすら手が動く。



「意外と覚えが早いな」

「玲の教え方が上手だからだよ!!」

「問題を解いてるのは葵だろ」



私の頭をくしゃっと撫で、玲は少し口角を上げた。


どんな仕草も玲がすると様になる。


玲に触れられると落ち着かない気分になる。


綺麗だから緊張するのかな?



「何?」

「あ、ううんッ、何でもない」



知らず識らずのうちに、この綺麗な顔に見惚れてしまう。


自然と吸い寄せられる様な美しさがある。


シャーペンを持ち、次の問題を解こうとした時、玲の手が私の手の上に重なった。



「れ、玲?」

「もう遅いからそのページの問題は宿題」

「宿題って……」



また会えるって事?


って何考えてんの、私……。



「明日もまた放課後ここで」

「……いいの?」

「全部やろうって言ったのは俺だ」

「ありがとう、本当に助かる」



玲が笑うたびに胸が高鳴る。


甘い雰囲気をまとっているからかもしれない。


この甘さにいつの間にか酔わされてるのかも……。



「いいんだ。 俺の方こそ……」

「え?」



玲は私の後頭部に手を添えると、私のおでこにキスをした。



「ありがとう」



そう言って玲は立ち上がった。


玲が図書室から出て行ってからも、私はおでこに手を当てたまま暫くの間方針状態だった。