お嬢様になりました。

連れてこられたホテルの一室。


部屋に入るなり海堂は私から手を離し、ソファーにドカッと座った。


私はどうすればいいのか分からなくて立ち尽くしていた。



「勘違いすんな」

「……何が?」

「お前の事なんて好きでもなんでもねぇから」



は?


何でこいつこんなに偉そうなの?


人を此処まで巻き込んでおきながらマジで信じられない。



「あんなの真に受けるわけないじゃん。 私だってあんたと結婚なんて死んでも嫌」

「口の減らない奴」

「あんたもね」



口調は強いくせに表情は曇っていて元気がない様に見えた。


此処にいる必要はないし、さっさとお祖父ちゃんのところに戻りたい。


だけど、今のこいつを放ったらかしには出来なかった。



「何してんだよ」



私は海堂と向き合う様にソファーに腰をおろした。



「謝ってよね」

「あ? 謝る理由がねぇだろ」

「人に迷惑かけたら謝るのが礼儀でしょ? そんな事もわかんないの?」



海堂はギロっと私を睨みつけた。


こういう雰囲気に慣れた気がする。


この短期間で海堂からは何度も睨まれてるからね。