お嬢様になりました。

海堂親子を交互に何度も見ている内に、私はどんどん混乱していく。


二人とも真剣な顔で視線をぶつけたまま何も喋らない。


海堂の手を振り払おうにも、しっかり掴まれていてそうもいかなかった。



「行くぞ」

「えっ!?」



行くぞって何処に!?


私の腕を掴んだまま強引に歩き始めた海堂。



「隆輝!!」

「パーティーには戻る」



海堂は後ろを見る事なく苛々した口調でそう答えた。



「お祖父ちゃんに会ったら私も直ぐに戻るって伝えて下さいッッ!!」



部屋を出てハッとなった私は咄嗟にそう叫んだ。


ちゃんと海堂さんに聞こえたかな?


大股で足を進める海堂。


しかも早足な為、腕を掴まれている私は小走りでついて行くしかなかった。


勝手に連れ出した上になんて自分勝手な歩き方!!



「もうっ!! いい加減離してよ!!」

「…………」



無視!?



「ちょっとッッ聞……」



それ以上言葉が続かなかった。


海堂の横顔が辛そうだったから。


いつも俺様で暴君な海堂。


怒ったり不機嫌になる事はあっても、いつも堂々で自信に満ち溢れている。


でも今は違った。


凄く弱々しく見えた。