お嬢様になりました。

海堂の顔が怒った顔から真剣な顔になった。


そして私から視線を逸らすと再び口を開いた。



「好きな女がいる」



……えっ!?


何か私、聞いちゃまずい事聞いちゃったんじゃないの!?


でも私がここにいるって気付いたよね?


一人混乱していると、海堂がドアに向かって歩き始めた。


ヤ、ヤバイッッ!!


海堂に怒鳴られる前に退散しようとドアに背を向けた時、腕をグッと掴まれた。


この手は……。


恐る恐る後ろを向くと、海堂がガッチリと私の腕を掴んでいた。



「ご、ごめん……聞く気はなかったんだけど……その……っ!?」



海堂は無言のまま私の腕を引き、逃げるどころか私は部屋の中に引きずり込まれてしまった。



「葵さん?」

「海堂、さん?」



驚いた顔で私を見ている海堂さん。


え?


まさかさっきのって親子喧嘩?



「こいつ」

「は?」

「俺はこいつ以外の女と結婚する気はない」



……ん?


今結婚って仰いませんでした?



「隆輝、そんな事を本気で言っているのか?」

「二度も言わせんな」



ちょっと……。


ちょっと、ちょっと、ちょっとッッ!!


これどうなってんの!?