拓海side

危ない危ない……。

瀬山のあの目……絶対気づいてる。

気づいてて、あえて俺に聞いてきたんだ……。


「ドSかよ……」


ていうか、本人がいる前で言えるわけないだろ……。

俺は桐生と同じ班になりたいです……なんて。

そんなことが言える人がいたら勇者だ。


でも……


俺はチラッと瀬山と楽しそうに話す桐生を見る。


「できるなら……なりたいよな」


くじ引き……。

俺、くじ運悪いんだよな……。


「拓海、どうした?」

「耀……今すぐくじ運が良くなる裏技みたいなのってないかな……」

「……はぁ?」


白石耀―シライシ ヨウ―

小学生からの仲。

いつも世話になっている。