置いて行かれたあたし達は……きょとん。
「ていうか……協調性なさすぎだろ、ウチの班」
「本当……心配だね。
明日、大丈夫かな……」
「……多分ダメだろうね」
「………………」
「………………」
少しの沈黙の後、あたし達は顔を見合わせて静かに笑った。
「ま、これはこれで楽しいか」
「あたし達も楽しまなきゃね」
「そうだな……よし!
俺達も追いかけるか!」
「え……追いかけるって……」
「ほら、行こう!」
「あっ……」
西丘君は楽しそうな笑顔を見せながら、あたしの手を掴んだ。
そして、そのまま走り出す――
西丘君に握られている手からじわじわと体温が上がっていく気がした。
楽しそうに走る西丘君の背中。
真っ白なワイシャツが少し眩しくて……
でも、心がほっこりとしていて……
……あたしは西丘君に握られている手をギュッと少し力を入れて握った。
すると、西丘君も……優しく握り返してくれた。

