綿雲に恋をした


「着いたー!!」

「いい天気だね!!」


六班のトラブルメーカー二人が真っ先に新幹線から下りて騒ぎ始める。


「渡辺、速水。
置いてくぞー」

「待ってよ、森セン!」

「置いてかないでー!!」


渡辺君と桜は森センを追いかけて二人で先に行ってしまった。


「アイツら……」

「先が思いやられるわね」


白石君と真央は完全に六班のお父さんとお母さんです。


「一日目はバスで奈良の方に行くんだっけ」


西丘君がそう言うと、白石君は面倒くさそうな顔をした。


「てことは、またアイツらと近くの席に……」

「そんなこと言って、本当は結構楽しんでんだろ」

「んなわけあるか」


吐き捨てるようにそう言った白石君を見て西丘君は小さく笑った。


「素直じゃないな、耀は」


そんな西丘君達の後ろで真央は腕組みをしながら何かを考えているようだった。


「真央?」

「バス……二人席……はっ!!」

「……真央さん?」


真央は何かに気がついたように突然頭を上げると、白石君の腕を掴んだ。


「白石、先に行くわよ」

「は?」

「朱音、西丘!
ちょっと先に行ってるわね!」

「え、ちょっと、真央!?」

「先って……」


あたし達の声なんて聞こえていないようで、真央は困惑した表情の白石君の腕を引っ張りながら走っていってしまった。