西丘君はいつでも優しくて笑顔がとっても爽やかな、正に好青年って感じの人。
「あんなに男が集まってるとむさ苦しいのに、なぜか西丘だけ違うオーラが漂ってるのよね……。
アイツは一体何者なのかしら……」
「真央ったら……」
「朱音。
アンタも早く行動起こさなきゃ、誰かに取られちゃうわよ」
……分かってる。
分かってるけど……。
……あたしはもう一度、男子達の中にいる西丘君を見た。
すると……楽しそうに友達を話していた西丘君がふとこっちを見た。
いきなり目が合ってビックリして……同時に胸が高鳴る。
かと思ったら……西丘君は小さく口元を緩めて笑いかけてくれた。
「朱音、こっち見てるよ!」
真央が小声でこっそりあたしにそう言う。
本当にあたし……!?
驚いて後ろを見てみるけど、こっちの方向にはあたし達しかいない。
え、じゃあ……
あたしが後ろに向けていた顔を前に戻そうとした……その時だった。
「おはよ」
さっきまで遠くから聞こえていた声が……すぐ近くで聞こえた。

