修学旅行といえば、こっそり異性の部屋に行っちゃったりとか……

ホテル抜け出して二人きりとか……


いやいやその前に……


三日目に二人で回る約束をしなくては!


何て言おうか……。

できればカッコよく……


「俺と一緒に回ってください!」


……これじゃ何か普通……


「俺と一緒に回れ。
……は?
拒否権なんてねぇよ」


……ないな。

こういうオレ様は実際に言ったら引かれる気が……

それに俺のキャラじゃないし……。


「お願い……君と一緒じゃなきゃ僕……どうにかなっちゃいそうだ……」


……キモ。

自分で言うのもアレだけど……キモ。


「さぁ!
僕と一緒に京都の町を回ろう!」


……何言ってんだ、俺。


他に何かないか……何か……


俺が一人で唸っていると……どこからか、ものすごく冷たい視線を感じた。

心に突き刺さるようなキンキンに冷えた視線……


ゆっくり顔を上げるとそこには……


「アンタ……一人で何やってんの?」


俺に白い目を向ける……姉さんがいた。