「拓海ん!耀ちゃん!」


ナベがものすっごい笑顔で俺達に近寄ってきた。


「どうした?ナベ」

「修学旅行と言ったらなーんだ!」


……は?


「何それ……クイズ?」

「なーんだ!」

「おい、ナベ……」

「なーんだ!!」


……なーんだって言われても……。


「拓海、答えてやれよ」

「え、俺!?」


面倒くさいのは俺に丸投げかよ……。


……修学旅行といえば、か。

修学旅行といえば……。


「枕投げ……とか?」

「ブー!!
枕投げもするけど、ブー!!」


するんだったら正解でいいじゃん……。


「じゃあ何なんだよ」

「そこはやっぱりラブ的なシチュエーションでしょ!」

「……は?」


ラブ的なって……。


「俺はこの修学旅行に賭ける!!
拓海ん、耀ちゃん!
修学旅行が終わる頃に俺に彼女ができてても恨むなよ!」

「恨まねぇよ……つーか、どうでもいいし」

「またまた~。
耀ちゃん、そんなこと言って!
本当はソワソワしちゃってるんでしょ!」

「そうだ、拓海。
今日、帰りに何か食ってくか」

「え、スルー!?
耀ちゃん、スルー!?」

「どこ行くか。
できればうるさいヤツがいないところに……」

「お、俺も連れてってよー!!」


ラブ的なシチュエーション……か。