拓海side

あとちょっと……。

あとちょっとだったのに……。


次の休み時間。

俺は机に突っ伏しながら大きくため息をついた。


三日目の自由行動……。

桐生と一緒に回れたら……なんて思ってたけど。


思ってるだけじゃダメなんだよ!

誘わなきゃ!


……だけど、その肝心の誘う勇気が出ない俺。


「あーあ……俺って本当にヘタレ……」

「やっと気づいたか」


頭上からいつもの声が聞こえてきた。

耀は俺の顔を見て小さく笑った。


「お前のヘタレは生まれつきだろ」

「そっ……んなこと……」


俺は今までの人生を高速で振り返ってみた。

……いや、そんなことあるかもな。

俺……


「結構ヘタレだったのか……」