くっつけた机の間にガイドブックを載せて二人でそれを覗き込む。
「京都ってさ、中学の時に行かなかった?」
「行ったよ。
結構定番だよね」
「高校入って修学旅行先が一番残念だったけど……でも、メンバーが変わるとまた面白いのかもな」
「ウチの班は特に濃いからね」
「確かに」
あたし達は教卓を囲んで騒いでいる同じ班の四人と森センを見ながら笑った。
「一日目はクラス、二日目は班……三日目は自由行動か」
「一日でどれぐらい回れるのかな」
「結構行けそうだけど……。
……まぁ、何が起こるか分かんない班だから……」
西丘君はそう言いながら苦笑いした。
「迷子とか……ありそうだね」
「ナベと速水が特に……」
「みんなからはぐれないようにしなきゃ……」
あたし、結構迷子になりやすいし……。
すると、西丘君はあたしの方を見てにっこり笑った。
「大丈夫だよ。
俺のそばにいれば」
「え……」
……西丘君の言葉で、顔が熱くなっていくのを感じた。
あたしが赤くなった顔で西丘君を見つめると……西丘君はハッとして、突然慌て始めた。
「い、いや……お、俺だけじゃなくて……ほら、みんなのそばにいれば安心でしょ!」
「あ……う、うん!
そうだよね……ははっ」
もうっ、あたしったら何を考えて……。

