「だからグループ名なんていらないっつってんのに……」

「何でこうみんなアホなのかしら……」


桜と渡辺君は「わぁっ!」と小学生のような楽しそうな顔をして森センの方に駆け寄っていった。

真央と白石君も呆れながら二人の後についていく。


あたしも行った方がいいのかな……。


そう思って立ち上がろうとすると、横からチョンチョンと腕をつつかれた。


「ん……?」


あたしが振り返ると、西丘君がいつもの爽やかな笑みを浮かべながらあたしの隣に座った。


「西丘君?」

「俺達だけで先に候補決めとかない?」


確かに……このままじゃ話し合いは進まないだろうし……。


「うん、そうしよう!」


あたしがそう答えると、西丘君は嬉しそうに笑った。