「清水寺、かな」


清水寺か……。


「清水寺っていえば恋占いの石だよな!」


ナベの言葉に女子三人が反応した。


「恋占いの石?」


耀が聞くと、ナベは得意気に語り始めた。


「清水寺の地主神社ってとこにあるんだけどさ。
二つの石があって、その石から石へ目を瞑って行ければ恋が叶うってわけ!」


へぇ……。

恋占いの石……か。


「桐生ちゃんも恋占いの石目当て?」

「へっ!?
あ、あたしは……」


ナベに聞かれ、顔を真っ赤にして焦る桐生……。


「えー!
朱音ちゃん、叶えたい恋でもあるの!?」

「そ、そういうわけじゃ……」


その瞬間、顔を真っ赤にした桐生と目が合った。


ドキッとしたのも束の間……桐生はすぐにうつ向いてしまった。


「ほらほら。
あんまり朱音をいじめないの」


瀬山の言葉を「は~い」と子供のように素直に聞くナベと速水。


「恋占いの石に行ったら、あたしとたこ焼きの恋も結ばれるかな?」

「桜……アンタ、どんだけたこ焼き好きなのよ」

「たこ焼きバカだな」

「あ、耀君ひどーい!
バカって言った方がバカなんだよ!」

「……小学生か、お前は」

「ガハハ!
速水、小学生だって!」


みんなが盛り上がってる中、俺はいまだに顔がほんのり赤い桐生が気になっていた。