「んー……でも、同じ班の人が見つからないんだよね~。
どこにいるのかなぁ……」

「……桜。アンタ、紙見せなさい」

「紙?いいよ。
はい、どうぞ」


にっこりと満面の笑みで真央にくじ引きの紙を渡す彼女。

速水桜―ハヤミ サクラ―


「……これ、9じゃなくて6じゃない……」


真央が呆れたような目で桜を見た。

桜……見間違えちゃったんだね。


「えぇ!!
そうだったの!?」

「ビックリしたのはこっちよ。
……どっからどう見たら9に見えるのよ……」

「でも、森センの字って汚いからなぁ……。
朱音ちゃんは9に見えるよね!」

「いや……いくら森センの字が汚くても、これは6だよ」

「えー……。
そうなのかなぁ……」


うーん……と唸りながらくじ引きの紙をじっと見つめる桜。

桜はおっちょこちょいっていうか、天然っていうか……

……愛すべきアホっていうのが一番正しいかな。