『一緒に探そう』
そう言って、微笑みながら手を差し伸べてきた彼の姿に、両親とはぐれたことへの不安が少し和らいだのを覚えている。
『お嬢ちゃんのお名前は?』
『紀紗だよ! きーたん! お兄ちゃんは?』
『僕はね、要』
『要ちゃん!』
『うん。それじゃ、探しに行こうか』
『うん!』
大きく頷いて、要ちゃんの手を握り、私達はサービスカウンターへと向かった。
『あれがそうかな?』
サービスカウンター近くになって、彼が指差す方に目をやると、両親の姿が見えた。
二人の心配そうな顔が見えて、駆け出したい気持ちになった。
でもそれと同時に、もう要ちゃんとはお別れなんだと思うと、ちょっとだけ寂しかった。

