「うるさい。今、社長とラブラブ中なんだよ」
「きーたん」
「……何」
少し苛立った声で返事をするも、彼には何とも思われなかったらしい。
さっきと変わらぬ声色で返事が返ってきた。
「社長も一緒に早くおいで」
「……はいはい」
二人分の麦茶を持って社長と一緒に要ちゃんの部屋に入った。
エアコンの涼しい風を期待して入った私に吹きかけられたのは生温い夏の風。
それもそのはず。
せっかく私がエアコンをつけてあげたのに彼は窓を全開にして夕暮れ時の空を眺めていた。
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