少し寂しそうに言った要ちゃんの言葉にはっとした。


 私が彼を悲しくさせている。そうしたかったわけではないのに、結果として、そうなっている。


「……ごめん……」


 こんな言葉が欲しくて要ちゃんが言ったのではないことは分かっているのに、謝罪の言葉が出てしまう。


「……きーたん」


 彼が私を呼ぶと、私のなかで制限をかけていた何かが外れるように、私の感情が溢れ出した。


 あぁ、私にはやっぱり、要ちゃんが必要だ。


「……要ちゃん……私、もう、自分が何をしたいのか分からない……」


「うん」


「離婚は……私は良いの。でも……私は要ちゃんと社長と、一緒にいたい……! でも……父さんが、困るの……」


「うん」