何故一緒に外に出たのか分からずに、要ちゃんを見ていれば、彼は家の鍵を閉めていた。


「え、鍵……?」


「散歩しよ」


「……うん、わかった」


 理由も聞かずに頷けば、私の歩調に合わせて歩き出した。


 私達は恋人でもないのに手をつなぎ、ただ歩いた。


 10分くらい歩いて、人気のない公園を通りかかった時、要ちゃんがぽつりと呟いた。


「僕は、きーたんが悲しいのに笑うところは見たくない」