懐かしい夢をみたなと思いながら目をこすり、窓の外を見れば辺りはもう暗くなってきていた。


 帰らなければと、だんだんとはっきりしてくる頭で思う。


 ふと隣を見ればそこには要ちゃんがいて、私のお腹の上には社長がいた。


「要ちゃん、起きて」


「……うん……」


「私、帰るね。またね」


「ん……。社長に送ってもらいな」


「うん。……社長、私、帰るね」


 そういうと、社長はむくっと起き上がり、私の後ろをついてきた。


 要ちゃんの家に遊びに行った帰りには、いつも社長が送ってくれる。


 猫に送ってもらうというのは変な話だが、私が社長を拾ってきた日から、毎回送ってくれるのだ。