黒い髪はボサボサで、白い肌には鉛筆の黒鉛がつき、二重のまぶたは閉じられている。


 机に突っ伏したままの要ちゃん。その頬をつつくと、彼は顔をしかめた。


「要ちゃん」


「んー……黙れ」


「要ちゃん」


「……なんだ」


 返事はしたものの、起きる気はないのか、まだ目は閉じたまま。


「ぎゅー」


 そう言って後ろから抱きつけば、さらに眉間にしわを寄せる彼。


 そんな彼に構わずに腕の力を強めると、彼は目を開けて私の腕を掴んだ。


「暑い。うっとうしい。邪魔。エアコンつけて。あと氷入れた麦茶」


「嫌だ」