「アス?」
「宙人、先に言うね。」
「うん?」
「空ちゃん、食べられちゃうかもよ?」
「え?いや、ないでしょ。だって俺達まだ中二だよ?」
「・・・うそでしょ!?アスはてっきり宙人は済みかと・・・」
「へんな想像はしないでよ!」
「とにかく、霜月は絶対にヤると思う。だって今までの女がそうだったんだよ。 結構要求も激しいみたいだし。ま、言葉が上手いからね。 女の子も上手くのせられちゃうんじゃない?」
「・・・なんで知っているんだよ、そんなこと。」
「家が隣だからね。うち、マンションだし。」
ちょいちょい聞こえるんだよね。喘ぐ声。
それを聞いた瞬間にも、アスは凄く強い女の子だと思った。
「・・・。」
「ほら、宙人!しっかり!」
「アスはなんでわかってたの。霜月が空を食べるって。」
「ふふ、男はみんな狼なんだよ。なんなら宙人、アスたちもスる?」
「からかうのはやめて。」
アスともすっかりうちとけて、ひなたは空を見守り、霜月と空は今、はたからみればただのバカップルだ。
クラスメイトも呆れるのと直視できないのがいてめんどくさい。
話上手な霜月に落とされる女子は多い。
だから、霜月はかなり人気だった。そのなかで、去年まで地味で虐められていた空が付き 合ったものだから、かなり噂は大きくなる。
「私のクラスまで届いてるよ。霜月と空のこと。」
「・・・へぇ。」
家ではひなたとその話題で持ち切りだ。

