心の中に、ぽっかりと穴が空いた気がした。 それか、穴とともに、心臓を引き裂かれたような気さえした。 「待ってたよ・・・」 「うん。」 「大好きなの、海が。」 「うん。」 「でも・・・だめだった・・・」 「うん。」 「なんで・・・なんでよぉ・・・」 ひなたがいつものように私の頭にぽん、と手を置く。 掌の温もりが、私をさらに安心させ、そして素直にさせた。 「うわぁぁぁぁ・・・っ!!」 私は、凄く久しぶりに、声をあげて泣いた。