海にも、そんな人が現れたら、きっともっと明るくなると思った。
海の魅力に、誰かが気づいてくれるはずだ。
私は、その誰かになりたかった。
その誰かになって、もっと日のあたる場所へと導いてあげたかったのだ。
「ひなた・・・。」
「なぁに?」
「海に、伝わるかな」
「空の気持ち?」
「うん。」
「伝わるよ。空がだれよりも海のこと思ってるじゃないの。」
ぽふん、とひなたは私の頭に手をのせた。
そしてわしゃわしゃと頭を撫でる。
「あーっ、ぐしゃぐしゃになっちゃうよー!!」
ひなたはあははと笑いながら、ふざけて逃げていく。

