私がそう言うと、ひなたは私の頭に手をのせて、撫でてくれた。
「そんなことないよ。空のせいじゃない。
待っててあげよう。きっと来るよ。」
ひなたは一緒に海を待ってくれた。
クラスメイトは、海が学校に来ないことを疑問に思っている人が多かった。
「なんで海来ないのー?」
「なんでかなぁ。空ちゃん知ってる?」
「うーん、なんかあんまり体調よくないのかもね。」
「そっかー。でもさ、そろそろ単位危ないんじゃない?」
「だよねぇ。進級出来るのかな?」
「留年したらどうなるのかなぁ。」
海が会話の話題になるのが嫌だった。
進級できないとか、留年だとか、一緒に進級したいと思っていた私は、そんな会話を耳にしたくなかった。

