「どうしたの?学校が嫌になっちゃったの?」
『・・・。』
「また、迎えにいこっか?」
『ううん、大丈夫。』
「海」
『なに?』
「私には、海が必要だから。・・・それだけは、忘れないで。学校で待ってる。」
それだけ言って、電話をきった。
私は、耐え切れずに涙を流した。
悲しいとか苦しいとかそんなことじゃなくて。
ただもやもやとしたものが、胸の奥に突き刺さり、どんなに好きなことを考えても無くならない。
海と二人で過ごしたこの数ヶ月の思い出が、ひしひしとよみがえる。
お揃いのうさぎのぬいぐるみ。
そしてブレスレット。
それらを見つめる。
海の言葉を思い出す。
「・・・なんで・・・?」
海が再び学校に来なくなったのは、私に原因があるのだろうか。
それとも、海の問題なのか。
それでもその時の私は私のせいだと思い込んでいた。

