私はその時そう言ったけれども、ひなたの言うとおり、私は海が大好きだった。
海のためならなんだってできた。
迎えにいくのに、どんなに早起きだって、海の為なら平気だった。
まるで恋。
恋は盲目、なんて言葉は私の為にあるような気さえした。
「もしもし、海?」
『空、ちゃん・・・。』
しばらく学校に来ない日が続いたので、私は海に電話をかけた。
海が学校を休んで一週間以上が経っていたのだ。
気にしていた。
会いたくて仕方がなかった。
だから、いてもたってもいられなくて電話をかけた。
「海」
『空ちゃん』
「どうしたの。ずっと来ないから、心配したよ。」
私がそう言う。
しかし、返事はない。

