海は、私にそう言った。
目にあった涙は無くなっていた。
そのかわりにある目は、虚ろで、もうこの世界になんてどうでもいいような目をしていた。
でも、これだけは言おうと思った。
誰も、海を見捨ててなんていない。
ただ、見捨てていないことを、海が知らないだけで―――――。
「私は、海を見捨てない。他の人と比べたりしないし、私のこと友達だとおもわなくったっていい。
・・・でも、私は勝手に海に話しかけるし、一緒にいるから。」
一緒にいることに、意味なんていらない。
海と出会ったことが、事実なのだから。
「海のこと、好きだよ。
綺麗事でもなんでもない。
海は、私にないものいーっぱい持ってるから。
」

