二重人格御曹司の初恋





「じゃ、あたしそろそろ入学式に向かうんで、さようなら。」


そりゃあもう冷たい言い放ってやったさ。
なのに、こいつ予想外の返答を。


「お前、南一葉だよな?」


「…え?なんであたしの名前…。」


あたしは今日初めてこの最低たらし野郎に会ったはずだ。どんなに記憶を辿ってみてもこいつの顔を見た記憶はない。


「そんなことはどうでもいい。ただ、お前…俺の女になれ。」


…what?
こいつ、頭もおかしいのか?


それにあたしはたった今こいつが嫌いだと自覚したばっかなのに。

速攻断ろとした。なのに、


「お前に拒否権はない。ここは俺の叔父の学校だ。ま、大好きな友達と離れて退学するってゆうなら話は別だけどな?」


こいつ、金持ちだからって…
断れないのわかっててやってるんだ…