二重人格御曹司の初恋











「………ただいまー」



そういって玄関のドアを開けると、コーヒーカップを持ったお父さんが、丁度廊下を歩いているところだった。



つまり蒼もバリバリ見えているわけで…………。




蒼は、丁寧にお辞儀をしたあと、



「遼太郎さん、お久しぶりです」

そういって微笑んでいた。



「………よかった。蒼君、上がっていきなさい」

お父さんも、嬉しそうに微笑んだ。




というか、<よかった>って、なに?