「………………」


口説く?私を口説いてくれるんですか‥
竹君さん‥。


『どん』「あっ!」


地下鉄の入口を塞ぐように立っている私に男性がぶつかった。


脚がよろけた私は竹君さんに抱き抱えられた。


「すっすみません。」

「フッ‥助けられたな」

「はい 助かりました」

竹君さんがいなかったらバランスを崩して転んでいた。

んっ?竹君さん‥。


「フフ帰るぞ。 華」


「ちょ 竹君さん!」


竹君さんは私の腰に腕を回し地下鉄の階段を軽やかに降りて行った。

竹君さん
私の思い過ごしですか?

なんだか‥‥‥
竹君さん、嬉しそう。

こんな嬉しい顔の竹君さん初めて見た。