「監督さんと話してくるから、先に楽屋に行っておいて」 「はーい」 「ナンパは……」 「しねーから、」 いくら俺だって、仕事に私情は持ち込まないし、なおかつこんな所でナンパなんかするはずもない。 麗美ちゃんは過敏すぎるんだから。 「綾斗くん、こんにちは」 「あ、こんにちは。今日はよろしくお願いします」 「うふふ、そんなに畏まらなくてもいいわよ」 「いえ…」 大先輩に畏まらないわけがないだろ。