破水して、陣痛が始まった。
そう電話がかかってきた、けど、俺はまだ仕事中で。
「麗美ちゃん、父さんもいるはずだから病院向かって。俺は仕事終わってから向かう」
「そ、そうね。でも綾斗…」
「大丈夫、大丈夫だから、」
「わかったわ、」
雅、頑張れよ。
そう願うしかいられない。
「綾斗くん、いいのか?」
「大丈夫です。監督、撮影をお願いします」
きっと、立ち止まってはいられない。
未来に待ち受けるものが、何であろうとも、どんなことであろうとも。
俺が進むべき道は、ずっと、この先も、変わらない。
俺は、俺の信念を貫くだけだ。
たぶん、俺にとっての未来とは、
自分の信念を貫き通して、その先にあるのもだろうと思う。