次に目が覚めたのは、珠樹さんとは違う、いつもの手の温もりを感じて。



「目、覚めたか…」

「あや…」

「起きなくて大丈夫、今から仕事行くから」

「そっか…」

「雅、」

「ん?」

「元気な子、産めよ」

「綾…」

「お前もその子供も俺が守ってやるって、話つけてきたから」

「綾…」

「ん?不満?」

「ううん、」

「じゃあ、行ってくるな」

「綾斗、」

「ん?」

「大好きだよ」

「知ってる」



綾斗、綾斗、大好きだよ。



あたしの将来、これからの未来は、綾斗がいないと、成り立たないんだからね。



そして、これからは、綾斗と、お腹の中にいる子供と、一緒に築きあげていくんだからね。