そうかなあ、とか思いつつも周りを見渡せば、確かに父さんから話しかけてる様子はあまり見られない。
「スタンバイお願いします」
俺のワンカット目。
父さんが見てるって考えただけで緊張するけど、いつも通り、いつも通りに。
ここにいるのは、俳優・如月綾斗だ。
ーーーーーー・・・
「あのクソ親父、俺の時に限ってアドリブ入れやがった!!」
「あははは、ほんと、珠樹さんらしいね」
「どこがらだよ!?」
「でもアドリブにちゃんと返してた綾斗もさすがね」
「どこがっ…」
「あんな無茶なアドリブを返せるの、珠樹さん本人くらいだよ。さすが親子だね」
だけど、急に胸ぐら掴まれたら、驚くに決まってんだろ。



