「だからずっと、奥様は天音さんに対してどう愛情を注げばいいのか、わからなかったのです」

「……………」

「だから、こう。大胆な愛情になってしまうんですけどね」



家政婦さんはクスクスと、笑って調理場へと行ってしまった。




これが、お母さんの愛情。



お父さんも、お母さんも、あたしのことをちゃんと見てくれてたんだ。



「だからって、スタジオ作るとか…」



ほんと、やること大胆すぎ…。


でも、ありがとう…。



ちゃんと、お母さんの愛情、届いてるよ。




「これはメア達にも言わなきゃね…」



あたしだけのスタジオじゃなくて、canのスタジオにしたいもん。



一緒に音を奏でてくれる仲間たちとの場所に。