「綾斗ったら、珠樹さんが引退するってのを受け止められないのか、あれからずーーっと、仕事ばかりしてるんですよ!ほんと、振り回されるあたしの身にもなってほしいくらいなんです!」
「はは、綾斗はさみしいのかな?」
「でしょーねー!」
おいおい、麗美ちゃん。
何を言ってるのだ。
「別にさみしくからとかじゃないし…」
「うん、素直になってね」
「まじで、ほんとにだから…」
さみしい、という気持ちも無きにしも非ずだけど、心に消失感があるのは否めない。
「でもよく母さんも許したな…」
「夏美にはもう何年も前から言ってあったからね。最初は猛反発されたけど、理解してくれたよ」
もうだいぶ前から決めてたって事か…。