綾がなんで今、仕事詰め込んでるのか理由知ってるから、何も言えない。
「つーか、お前仕事は?」
「今日は休みだったの」
「にしては、遅かったな」
「雅ちゃんと会ってたんだよ」
「雅? あいつ元気にしてんのか?」
「少し落ち込んでたみたいだけど、綾よりは元気よ」
「……………」
頭をポリポリかきながら、脱衣所へ消えていく綾。
あたしが先にお風呂入ろうと思ったのに!!
「はぁ…」
綾は昔からそうだ、自分の心を誰にも読ませたりしない。
少しくらいは、頼ったりしてくれてもいいのにな…。
まあ、弱音を見せないのが綾なんだけどね…。
「綾…しっかりしてよね…」
綾がこんな調子だと、あたしの方が調子狂うよ…。



