監督の映画とは別の仕事を終わらせ、雅が運ばれた病院に。
お忍びではあるけれど、今回のはばれても言い訳がきくし、麗美ちゃんも一緒だし。
「お前、ほんと、なめてんのか?」
「なめてないもん…」
「このままじゃ、大勢の前で恥かくだけだぞ?」
「わかってるから、練習してるんじゃん!」
「わかってるなら、自分の体力くらいわかれ!」
「だって…」
「親父も、そんな端っこでメソメソすんよな…」
雅の病室からは、光の怒ってる声。
俺と麗美ちゃんは顔を見合わせる。
これは中へ入っていいのだろうか…。
「パパ…仕事戻るね…。雅ちゃん…」
「ふんっ」
「ごめんね…」
相当、監督はまいってるようだ。



