綾斗が雅はムリ、って一言でも言ってくれたらそれだけでよかったのに!
「ううっ…」
映画に出ると決まってからというのも、毎日台本と睨めっこ。
ただでさえ主演ってだけでセリフ多いのに、パパの贔屓のせいで、より多くなってる。
パパに脚本やらせるからだ…。
女優のお仕事なんてしたことないあたしからしてみたら、地獄の日々の始まりだよ…。
「神城監督があんなに上機嫌なの、初めて見た」
「……………」
ぜんっぜん、嬉しくない。
不機嫌なパパも嫌だけど、上機嫌なパパも嫌だ。
「雅ちゃん、監督怒らせないようにね」
「はい…」
パパ、あたしに優しいし、怒らない……のを願ってる…。



