旅館にいても何もすることがなくて、温泉街をぶらぶらと。
なんか、一人でぶらぶらするって、さみしいというか、虚しいというか…。
「兄チャン、一人かい?」
「あー。まぁ…」
「なんなら店寄っていきな。寒いだろうから茶でもだすよ」
「あ、ありがとうございます」
なぜが活きのいいおじさんに絡まれた。
おじさんは温泉街でお店をやってるらしく、連れて来られたのはお土産屋さんだった。
「お守りとか置いてるんですね」
「この近くは恋みくじとかいろいろ有名なのさ。兄チャンも一度やってみるか?」
「俺はいいっすよ…」
恋みくじって柄じゃねぇし。
女が好きそうなやつだ。