「ひ、光くん!?」
「ちょっと黙って…」
ーーえっ!?
付き合ってから、今まで何度かキスはしたことある。
だけど、こんなキスは初めてで……。
「…んっ……」
ちゅ、っとリップ音がして、唇同士が離れる。
絶対あたし、顔が赤いはず。
恥ずかしい。
その時、コトンとバッグが落ちる音。
「あ、え…うん…。なんかごめん」
「…………」
「…………」
雅ちゃんに見られた…。
気まずい…です。
「あ、あたし、仕事行くから!」
そう言って、玄関の方へと行ってしまった。
取り残されたのは……もちろんあたしと光くん。



