親父がパーティーに出られるような暇がある人間じゃない。 もう何ヶ月も海外で撮影しているような奴だし。 「てかこの日、親父達の記念日じゃん」 「そうなの。夏美さん、それでアメリカに飛んじゃうのよ……」 神城監督の聖誕記念パーティーより、自分達の結婚記念日を優先したってことね。 そのとばっちりが俺にくるわけだ。 「夏美さんが神城監督に頼んで、招待客を綾斗に変えたんですって」 「親父の分は……」 「そんなの見張りがてら、あたしが行かなきゃでしょ!」 そーなるわけね。