「カット!」 ワンシーンを撮り終え、休憩に入る。 如月綾斗はあたしの方に近づいて来た。 「っ……」 「どう?俺?」 「あ、あたしに聞かれても……」 「ふーん」 「な、何よ!」 「お前、俺の事見過ぎだろ」 「っ……」 「俺に惚れた?」 「ち、違うもんっ!!」 違うの。 色気に満ちた、如月綾斗に見とれてたなんて……違う……。 「俺に惚れろよ」 「っ……」 まっすぐな瞳を持つ彼に、ドキッとした。 そんな立夏の季節。